4つの嫉妬
苦しい…。。
嫉妬してる。
普通なら、恋のライバルだけに嫉妬するところなのかもしれないけど、彼自身にも嫉妬している。
一つ目は、自己実現について。自分が本当にやりたいと思う道が絶たれているのに、夢を叶えて挫折を知らない彼の希望に溢れる感じを見せ付けられるのが辛い。
奨学金も無く、親もせめて家事くらいはちゃんとやってくれるような家だったら、夢も叶えられたかもしれないのに。教育社会学の研究者になりたかった。教育社会学者の本田由紀に憧れている。
自分の勉強で辛かった経験から、次世代の職業教育について提案を続けてくれている人だ。知性と優しさを両方兼ね備えた数少ない人で、尊敬してる人。彼女に師事したかったし、彼女のようになりたかった。
二つ目は、受けた虐待の質の違いについて。彼の「母親が家事をやらせてくれなかった」という言葉が更に苛立たせる。
彼が夢を叶えられたのは、確実に母親が全部家事をやっててくれたおかげでもあるでしょ、と思う。心理的虐待の上に、ネグレクトする母親だったら、確実に彼は潰れてただろう。
母親が家事をちゃんとやってくれてたことくらいは、感謝しろよ、と思う。
そう思って言っても聞かない。
あたしだってせめて家事をちゃんとやってくれるような親だったら、もう少し上手く立ち回れて、夢も叶えられたかもしれない。
自分ひとりの力だけじゃなく、母の力を借りてたことも認識して欲しいわ。
あたしが欲しいと思ってたものを全部与えられてきてて、尚且つ文句言うとは何事なんじゃ!と思う。
虐待被害を受けてきた上、結婚生活も上手くいかず、それでも終わった恋の残り物を、恨み言を言いながらもネグレクトはせずに、ちゃんと育ててきた彼の母親の方に、むしろ同情してしまうのだ。
心中お察しいたします。
三つ目は、社会関係資本のこと。社会学用語で、平たく言うと人脈のこと。これもあたしは大学時代に築こうとして、酷く挫折した経験があるから、彼の人脈の話を聞くのが辛い。
だけど、あたしには真に心を許せる友達がいるし、嫉妬する必要は無いのかもしれない。
コミュ障から努力して、人脈いっぱい作りました、て自己啓発書によくありそうな話だけど、それで本当に幸せなのかな、と思う。
外交手段は発達して人脈は作れても、本当に心を許せる友達もいない。管理され切った奴隷同士で不信感もすごい。
多くの人と表面上だけの友好関係を築くより、少なくても本当の信頼関係を築く方が幸せだと思う。
幸せとは何なのか、あまりにも考えなさ過ぎじゃないかな。
価値観が違い過ぎて、まるで理解出来ないな。
本質をまるで考えないところはやはりエコノミックアニマルだと思う。
もう面倒臭い、よく喋る馬車馬だなぁ、とでも思っておくわ。
四つ目は、予想はしてたけど彼の相談相手がバレンタインのチョコをくれた女の人だったこと。
女性の方が相談しやすいし、そりゃサークルとか入ってたら当たり前なのかもしれないけど、すごく胸はざわつく。
それにこれからも2人で相談していいかなって、あたしのことなのかな。
障害持ちで、相談に乗るのも下手なあたしには、利用価値ないのかな、て思ってくる。
色んな劣等感が襲ってくる。
どん底。
彼一人に縛られる人生にはなりたくないな、いざとなったら他にもいっぱいいる、て思えるようになりたい。
やっぱり障害者枠の選考受けてみよう。